設立趣旨

chairman

 

第二次世界大戦後、我が国の発展には目覚しいものがあり、その発展の要因には戦後の復興にかける国民の勤勉さと、教育とが大きくかかわっていたことは紛れもない事実である。また、昨今の現状を考えるに教育水準、教育施設等は向上し、又社会経済においても、戦後の混乱期と比べものにならないほどの発展ぶりである。

然しながら、社会全体の発展は目覚しいものがある一方、他方では、経済社会の狭間で上級学校への進学を断念せざるを得ない子弟も存在することも紛れもない事実である。私自身幸い、経済的な理由による修学の断念という状況でなかったが、今回公益財団法人山本奨学会を設立するにあたり財産の寄付を行った父、故 山本憲一は、戦後混乱期において、修学心はありながら、経済的な理由により上級学校への進学を断念せざるを得なかった無念さを感じていたと思われる。

そこで、経済大国となった我が国において、経済発展の狭間で優秀な才能をもちながら、不幸にして経済的理由により修学を断たれることとなる子弟も存在しており、これらの子弟に対し学資の一端を貸与して、高等教育を受ける機会を与え、その子弟の才能を十分に伸ばし、その者個人の修学心をかなえさせるとともに、社会のために優秀な人材を育成することを目的とし、ここに公益財団法人山本奨学会を設立することとしたものである。

 

設立代表者 山本 良樹